GitHub(ギットハブ)とは?開発者向けコード管理の用途・料金・導入ステップまで紹介

ソフトウェア開発の現場で欠かせないツールとなっているGitHub(ギットハブ)。エンジニアの間では当たり前のように使われていますが、「具体的に何ができるの?」「どうやって始めるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、GitHubの基本概念から実際の使い方、料金プラン、さらには導入手順まで、初心者にもわかりやすく解説します。

寺田マイク

寺田マイク
プログラミングを学ぶなら避けて通れないのがGitHubですね。私もオープンソースの世界に入るきっかけになったツールです。技術の民主化を象徴するプラットフォームと言えるでしょう。

GitHubとは?基本概念と開発現場での位置づけ

GitHubは、バージョン管理システム「Git」をベースにしたクラウドサービスです。ソースコードをインターネット上で管理し、複数人での共同開発を可能にします。2008年のサービス開始以来、開発者コミュニティの中心的存在となり、2018年にはMicrosoftに買収されました。

  • ソースコードの変更履歴を追跡・管理できる「バージョン管理」機能
  • 複数人での同時開発を可能にする「ブランチ」と「マージ」の仕組み
  • 開発者同士がコードを共有し、レビューできる「プルリクエスト」機能
  • 現代のソフトウェア開発では、GitHubの使用が事実上の標準となっています。企業の社内開発はもちろん、世界中の開発者が参加するオープンソースプロジェクトのほとんどがGitHubで管理されています。就職・転職時にも「GitHub上での活動」が実績として評価されることも増えてきました。

    寺田マイク

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    GitHubのアカウントは、エンジニアにとってはポートフォリオと同じ価値を持ちます。私が見るスタートアップの技術面接でも、「あなたのGitHubを見せてください」というのは定番の質問になっていますね。

    GitHubの主な用途と企業・個人開発者のメリット

    GitHubは単なるコード保管庫ではなく、開発ワークフロー全体をサポートする多機能プラットフォームです。主な用途は以下の通りです。

    ソースコード管理とバージョン管理

    GitHubの最も基本的な機能は、ソースコードの保存と変更履歴の管理です。誰がいつどのコードを変更したのかを追跡でき、問題が発生した場合は以前のバージョンに簡単に戻すことができます。

  • 変更履歴の詳細な記録(コミットログ)
  • バージョン間の差分表示と比較機能
  • チーム開発の効率化とコラボレーション

    複数人での開発では、コードの競合が大きな課題になります。GitHubは「ブランチ」という仕組みでこの問題を解決し、各開発者が並行して作業できる環境を提供します。

    また「プルリクエスト」機能により、コードレビューのプロセスが標準化され、品質維持に貢献します。変更の提案、レビュー、修正、承認という流れが視覚的に管理できます。

    プロジェクト管理とタスク追跡

    Issues(課題管理)機能を使えば、バグ報告や機能リクエストを一元管理できます。Projects機能では、カンバンボードのようなビジュアルでタスクの進捗を把握できるため、プロジェクト管理ツールとしても活用できます。

    寺田マイク

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    GitHubのIssues機能は、エンジニアだけでなくプロダクトマネージャーにとっても重要ツールです。プロジェクトの透明性が高まり、技術チームと非技術チームの協働がスムーズになります。

    GitHubの料金プランと選び方

    GitHubには複数の料金プランがあり、個人開発者から大企業まで、ニーズに合わせて選択できます。基本的なパブリックリポジトリの利用は無料ですが、プライベートリポジトリやチーム機能を使う場合は有料プランが必要になる場合があります。

    Free(無料)プラン

    個人開発者や小規模チームに最適な無料プランの特徴:

  • 無制限のパブリックリポジトリとプライベートリポジトリ
  • プライベートリポジトリでの共同作業は3人まで
  • 基本的なIssues、Projects機能の利用可能
  • 2,000分/月のGitHub Actionsの実行時間(CI/CD)
  • Team(チーム)プラン – 月額$4/ユーザー

    複数人での開発に必要な機能が揃ったプラン:

  • プライベートリポジトリでの無制限の共同作業者
  • リポジトリレベルでの詳細な権限設定
  • ドラフトプルリクエスト機能
  • 3,000分/月のGitHub Actions実行時間
  • Enterprise(エンタープライズ)プラン – 月額$21/ユーザー

    大規模な組織やセキュリティ要件の厳しい企業向けのプラン:

  • SAML/SCIMによるシングルサインオン
  • 高度なセキュリティ監査とコンプライアンス機能
  • 50,000分/月のGitHub Actions実行時間
  • 専用サポート
  • 寺田マイク

    寺田マイク
    スタートアップなら最初は無料プランで十分ですが、チームが5人を超えたらTeamプランへの移行を検討すべきでしょう。知的財産保護の観点からも、商用プロジェクトはプライベートリポジトリでの管理をお勧めします。

    GitHubの導入ステップ – 初心者でも始められる手順

    GitHubを初めて使う方のために、アカウント作成から基本的な使い方までの手順を解説します。

    ステップ1: アカウント作成とセットアップ

    まずはGitHubのアカウントを作成しましょう。

  • github.comにアクセスし、「Sign up」からメールアドレス、パスワードを設定
  • プロフィール情報(ユーザー名、アイコン等)の設定
  • 2要素認証の設定(セキュリティ向上のため推奨)
  • アカウント作成後は、プロフィールを充実させることで、あなたの技術スキルや関心を他の開発者にアピールできます。

    ステップ2: リポジトリの作成と基本操作

    リポジトリとは、プロジェクトのファイルとその変更履歴を保存する場所です。

  • 「New repository」ボタンからリポジトリを作成
  • リポジトリ名、説明、公開設定(パブリック/プライベート)を選択
  • 「Initialize this repository with a README」にチェックを入れると初期ファイルが作成される
  • READMEファイルにはプロジェクトの概要や使い方を記述します。これは他の開発者があなたのプロジェクトを理解するための最初の手がかりとなります。

    ステップ3: Gitのインストールとローカル環境の設定

    ローカルのPCからGitHubを使うには、Git(バージョン管理システム)のインストールが必要です。

  • 公式サイト(git-scm.com)からGitをダウンロードしてインストール
  • ターミナル(コマンドプロンプト)でユーザー名とメールアドレスを設定:
    git config –global user.name "あなたの名前"
    git config –global user.email "あなたのメール"
  • GitHubとの認証設定(SSHキーの生成と登録、またはPersonal Access Tokenの設定)
  • 寺田マイク

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    初心者の方には、GitHub DesktopというGUIツールがおすすめです。コマンドラインを使わずにGitの基本操作ができるので、Gitの概念を学びながら実践できます。

    GitHubを使った基本的なワークフロー

    実際の開発では、以下のような基本的なワークフローでGitHubを使用します。

    1. リポジトリのクローン(ダウンロード)
    2. ブランチの作成(機能やバグ修正ごとに)
    3. ファイルの変更とコミット(変更内容の記録)
    4. プッシュ(変更をGitHubサーバーにアップロード)
    5. プルリクエスト(変更の提案と共同レビュー)
    6. マージ(承認された変更を本流に統合)

    これらの操作はコマンドラインで行うこともできますが、初心者の方はGitHub DesktopやVS CodeなどのGUIツールを使うと直感的に操作できます。

    実践的なTips – コミットメッセージの書き方

    良いコミットメッセージは、プロジェクトの履歴を理解しやすくします。

  • 短く明確な要約(50文字以内)で1行目に記述
  • 必要に応じて空行を挟み、詳細な説明を追加
  • 「何を」変更したかだけでなく「なぜ」変更したかも記述すると有用
  • 寺田マイク

    寺田マイク
    コードの品質と同じくらいコミュニケーションの質も重要です。明確なコミットメッセージやプルリクエストの説明は、チーム開発の効率を大きく左右します。これはテクニカルスキルと同様に練習で向上します。

    まとめ:GitHub活用のポイント

    GitHubは単なるコード保管庫ではなく、開発文化そのものを形作るプラットフォームです。基本的な使い方を習得したら、次のステップとして以下の活用法も検討してみてください:

  • GitHub Pagesを使った無料のWebサイトホスティング
  • GitHub Actionsを活用した自動テストやデプロイ(CI/CD)
  • オープンソースプロジェクトへの貢献
  • GitHub Sponsorsによる支援の受け取りや提供
  • GitHubを使いこなすことで、個人の開発スキル向上はもちろん、世界中の開発者とつながり、協働する機会も広がります。この記事を参考に、ぜひGitHubの世界に一歩踏み出してみてください。

    寺田マイク

    寺田マイク
    GitHubは技術的なツールである以上に、コラボレーションのプラットフォームです。初心者の方も、まずは小さなプロジェクトから始めて、少しずつ機能を使いこなしていくことをお勧めします。数字と実感、両方大事ですからね。
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    寺田マイク
    元Googleエンジニアとしての経験を活かし、現在はスタートアップ企業やSaaS開発企業の支援、分析・評価を行っています。 日本とイギリスのハーフで、ロンドンのインペリアル・カレッジを卒業後、テクノロジーとビジネスの交差点で活動してきました。 グローバルな視点と実務経験をベースに、課題発見から成長支援まで幅広くサポートしています。 このブログでは、スタートアップ動向、プロダクト評価、そして海外の最新事例などを発信していきます。